秋の釣瓶(つるべ)落とし♪

皆さんは一日の中で一番好きな時間はいつですか?

私が好きなの夕暮れ時。暮れかけのつかの間の時間がもつ独特の雰囲気・・・風景の色が刻一刻の変わっていく眺めるのが好きなんです。
夫は夕暮れになると「ママ(=私)の好きな時間がきたよっ。」って声を掛けてくれるぐらい。(笑)

秋の夕暮れは、夕焼けが格別な色合いですよね。・・・今日はその雰囲気を味わいたくて、夕方、公園から戻ってきた子ども達をつれて散歩に出ることにしました。玄関の戸を開けると、”秋の釣瓶落とし”でしょうか、思ったよりもずっと暗くなっていて、もう星も瞬きはじめていました。
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夫と子ども達と、薄紫になりかけた夕やけ空に浮かぶ宵の明星を指差しながら、束の間の晩秋の夕暮れを歩きました。木枯らしが吹いて、”ブルルッ”ちょっと寒かったけど・・。


【ご紹介=絵本(4歳半ぐらい〜/読み聞かせ5分)】

すきまのじかん

すきまのじかん

この絵本、我が家で最近ヒットしました!
”すきまのじかん”・・・それは夕暮れ時です。
この絵本の中で、”すきまのじかん”は擬人化された主人公になっています。
昼の太陽の王様からも、夜の闇の女王からも拒否された、ちょっと寂しげな青年。彼のキャラが、夕暮れ時特有のあの不思議な雰囲気をそのままで、私も・・・そしていつも一緒に夕暮れを散歩する息子も・・・すっかり気に入ってしましました。

この絵本の作者アンネ・エルボーさん(ベルギー在住)も、きっと私と同じように夕暮れ時が大好きなのでしょうね。この絵本の最初にページは、こんな詩ではじまります。
ちょっと長いけど、気に入ったのでそのまま引用しちゃいます。
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ゆうぐれどきの、すきまのじかんを、しっていますか?
まだ、あかりをともすほど、くらくもなく
かといって ほんをよんだり、ぬいものをするほど
あかるくはない じかん。

ほんを ひらいたまま、ページのなかの じは、ぼんやりとみえるだけで
ひとは、ものおもいにふけり、うっとりとゆめをみるのです。
それは、おおかみでもなければ、いぬでもないような じかん。
かげのぶぶんは、まだほんのすこし かがやきをみせ、
じめんはくらく、そらは、ほんのりとあかるい
すべてのものが しずかな
あおいせかいの おとずれをまっているじかん。

そらのすみっこが あかくそまり とおくで、たいようが ねむりにつくところ
それは おもいでのせかい。
かなしいような うれしいような まいにち、やってくるのだけれど
それは、まるで あったのか、なかったのか さえ わからないような
はかないじかん。

そんな すきまのじかんを あなたはしっていますか?

夕暮れ時の雰囲気と、その時間を愛する人の気持ちを、しっとりと描き出していますよね。
その後につづく短いお話は、この前書きの落ち着いた感じから変化して、ちょっとシュールで可愛いストーリーです。アンネ・エルボーの書くストーリーは、他のお話でもそうなのですが、理屈の通るオチがない。でもそのナンセンス的な部分がお話に詩的な”間”のようなものを与えているような気がして、夕暮れ時の表現にぴったりです。
ストーリーをそのまま映し出した落ち着いた色合いの絵は、繊細でシュールで、ちょっと可愛らしくって子どもたちも大好きです。


夕暮れ時の大好きな人にオススメの一冊で〜す♪





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