先週一週間、家族で京都・和歌山を巡るドライブ旅行に出かけました。夫の両親が京都に住んでいて、帰省を絡めての関西周辺の小旅行は我が家の夏の恒例行事になってます。


私はいつも旅行先でのいろいろな発見と、今まで読み聞かせている色々な絵本のイメージとをリンクさせて、子ども達の好奇心を惹きつけるようにしてます。今年は、子ども達の反応の幅が去年よりずっと広がって、夫も私も子ども達と一緒になって大いに楽しむことができました。その様子を何度かに分けて、ブログレポートしたいと思ってまーす♪


  〜 Part 1 〜  京都の旅 

牛若丸ゆかりの鞍馬寺を訪ねました

今年の旅行はまず京都に入り、牛若丸こと源義経ゆかりの京都の鞍馬寺を訪ねました。鞍馬寺は、義経が幼少期を過ごし、鞍馬天狗から武芸を伝授されたと伝えられます。

我が家では今年の始め頃に、図書館で借りた牛若丸の絵本が子ども達に大ヒットしたことをきっかけに、子ども版『平家物語』(あすなろ書房・全十巻)を通して読み聞かせました。娘だけでなく、教科書で原文の抜粋に触れたことしかなかった私も夫も、一緒になってその運命と人間の欲望と情が絡み合うダイナミックなドラマにすっかり魅了されました。


娘は、平家物語の登場人物の中でも特に義経が気に入りました。”義経ごっこ”と称して、弟を弁慶役をやらせて、「ひらーり!ひらーり!」なんて言いながら五条の大橋の弁慶との戦いをやる程の入れ込みよう!(女の子なのに!)

 

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鞍馬寺の山門。鞍馬寺京都市の北部の山の斜面の広大な敷地に立地します。山門をくぐってからケーブルカーで山上の本堂に向います。


息子は、境内の朱塗りの小橋をを見て、「五条の大橋だ!」と言って弁慶になりきってました。ちなみに着ているのはバアバに買ってもらったマジレンジャーのTシャツ。弁慶もマジレンジャーも息子にとっては同じようなもんなのかしら・・・笑。


子ども達は、地味なせいか鞍馬寺自体は予想してたほどには反応しませんでしたが、霊宝殿で開催されていた義経展(〜12/11)で平家物語の登場人物の絵が色々見られたのは喜んでいました。・・・この思い出が子ども達の心に残り、後々でも物語性と実在性併せ持つ歴史物語の面白さを深く感じるきっかけになってくれればいいと思ったのですが・・・・すっかり忘れちゃうのかなぁ。

鞍馬寺は、平安初期に建立された由緒正しいお寺で、五月満月祭や秋の火祭など伝統的な祭が執り行われることでも有名です。それらの行事は恐らく義経の時代にも行われていたのでしょう。観光としてだけでなく、周辺の人々の純粋な信仰の場として生きつづける佇まいに貫禄のようなものも感じられたような気がします。


【ご紹介=児童書(小学生〜)】

平家物語〈1〉赤旗白旗の巻

平家物語〈1〉赤旗白旗の巻

平易な文章に漫画チックな絵が添えてあって子どもにも親しみやすい。原文の味わいはないが、調子のいい文章なので読み聞かせながら平家物語のリズミカルなストーリー展開が楽しめます。作者は児童演劇の研究者だそうです。
ただし、残酷な場面があるので、あまり小さい子どもには向きません。


【ご紹介=絵本(7歳〜)】

牛若丸 (京の絵本)

牛若丸 (京の絵本)

京都の”このはな”さんのブログで紹介されていました。日本画家が描いたという美しい色合いの絵は、古(いにしえ)の物語の雰囲気と合います。言葉が少し古文調なので、対象年齢は7歳ぐらいから。私が今まで読んだいくつかの牛若丸の絵本や紙芝居の中では、一番気に入ってます。

大原の寂光院を訪ねました

鞍馬寺を訪ねた後に、鞍馬寺から東にひと山越えたところにある大原の里の寂光院を訪ねました。大原は三千院などでも有名ですが、京都市街からわずか10キロほどしか行かない場所ながら、民家はまばらで、まるで日本の昔話に出て来る山里のようです。私は以前、三千院に初夏の季節に訪ねたことがありますが、まぶしい新緑の中にひっそりと広がる美しい庭の様子には息をのみました・・・京都の中で一番好きな場所です。


今回訪ねた寂光院(じゃっこういん)は、平家物語の最終章『大原御幸』の舞台で、壇ノ浦の戦いで平家一門の中から助け出された建礼門院徳子(平清盛の娘で、壇ノ浦で夭逝した安徳天皇の母)が、余生を送った場所です。『大原御幸』では、舅にあたる後白河法皇が徳子を見舞い、その質素な暮らし振りに涙されたのに対して、徳子は「すべての栄華を失った今、やっと私の心は本当に穏やかです。」と言われたといいます。時代の荒波と権力の欲望に流され続けた彼女の安息の言葉は、とても感動的なフィナーレです。


残念なことに、平成12年放火により、平安時代に建立された本堂は焼失しました。写真は再建された本堂で今年6月に公開されたもの。焼失前のものは徳子が実際過ごした建物だったそうです。この放火事件に対して、平家物語ファンの私だけでなく多くの人が涙したいほど悔しい思いのはずです!

新しい本堂も、洗練された庭の中で瀟洒な雰囲気でした。
寺の方が、訪れた方々相手にマイクでガイドしてくれていました。音量が大きくて、正直いうとちょっとげっそりしましたが、内容が平家物語についての説明がほとんどだったので、うちの子ども達は嬉しそうに耳を傾けていました。

平家物語〈10〉祇園精舎の巻

平家物語〈10〉祇園精舎の巻


子ども版平家物語の最終巻です。

京都市 嵯峨野  ♪♪喫茶店”18(エイティーン)” (⇒ )♪♪


この日の鞍馬・大原散策には、大阪に住む私の高校時代の友人夫婦がつきあってくれました。大原の里を後にして、彼らを夫の実家が嵯峨野で営む喫茶店に案内することにしました。


夫の実家は、義父の退職後、5年前から”18(エイティーン)”というパン&喫茶店開業しています。店内では、他店から仕入れた焼き立てパンやサンドイッチを販売しているほか、喫茶コーナーでは煎れたてコーヒーと共に食べることもできます。夏場はカキ氷なども扱ってます。

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茶店”18”の前景です。嵯峨の大覚寺からすぐ、北嵯峨高校前です。(詳しくは⇒)近くには作家 瀬戸内寂聴さんの開かれた寂庵もあります。


開放的でお洒落な雰囲気のお店なんですよ♪私は帰省のたびに、我が家の近くにもこんな風に気軽にくつろげる喫茶店があればなぁって思います。
店内では、義父の趣味で諸外国の文化展をいつも開催しています。期間を区切って一つづつ国を取り上げ、その国の大使館に依頼して取り寄せたお洒落でめずらしい民芸品を販売するコーナーを作っていて、ご近所の方々から好評です。


自分の店を持つ夢を退職後に叶えて毎日頑張っている義父母の様子を見ていると、「私もまだまだこれから夢を探して頑張ってみたいなぁ」という気持ちにさせられます。


広沢の池(京都市 北嵯峨)へ

実家の”18(エイティーン)”が面する一条通を東へ300mほど行くと、嵯峨野の景勝地として有名な広沢の池があります。夕暮れ近づく時間、子ども達は実家において、私と友人夫婦とでのんびり夕涼みに出かけました。

 


広沢の池。この日(8月16日)の夜行われる灯篭流しのために、手こぎ舟が出て風向きを調べていました。


この辺りは、歴史風土保存地区として開発を制限されているので民家もまばらで、道の脇の田んぼからはカエルの声なども聞かれました。歴史と自然が合いまった心地よい雰囲気を味わいながら、友人夫婦と、自然や歴史などいろんな話題に花を咲かせました。


【ご紹介=絵本(5歳ぐらい〜/読み聞かせ20分ぐらい)】

アマガエルとくらす (たくさんのふしぎ傑作集)

アマガエルとくらす (たくさんのふしぎ傑作集)

カエルの声を聞きながら思い出したのは、ぱせりさんのブログで紹介されていたこの絵本です。
偶然に家に居着いたカエルたちを飼うことになった主婦の体験談に、片山健さんが絵をつけたもの。小さなアマガエルたちとの生活はとても楽しそうで心が温まります。著者のカエルたちへの愛情が手にとるように伝わってきます。


それにしても、この絵本では、私が今まで聞いたこともなかったカエルたちのいろいろな面が描かれていて、驚きの連続でした。あの小さなアマガエルが10年以上も生きるなんて、皆さん知ってましたかぁ?・・・今回一緒した友人の旦那さまは、カエル好きだというので、この質問をしてみたところ、こんなエピソードを話してくれたんですよ♪

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僕、小学校1年生の頃カエルを捕まえて飼ってたことがあったんです。そのカエル、しばらく飼ってたんやけど、水槽の壁に鼻をぶつけて段々黒ずんできて、可哀想やから結局逃がしてやったんです。そしたらその鼻の黒いカエル、僕が中学生になるまで、その逃がしてやった場所で毎年見かけたんです。カエルって長生きなんやなぁって思いましたよ。

とっても無口な大人しい方が、この話をしてくださった時はとても生き生きした表情をしされていて・・・何より、図鑑から得た知識じゃなくて、生きものを実際に観察した体験を話してくださったのが嬉しかったです。普通の人が気付かないことでも、カエル好きの人にはちゃんと見えるんですよね。
絵本『カエルとくらす』の作者の山内祥子さんも、カエルについて話される時はもしかしらこんな表情をされるのかしら?・・・なんて重ねてみたくなりました。

広沢の池で、五山の送り火と灯篭流しを眺めました


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この日(8月16日)の夜、京都で行われた五山の送り火です。この写真は、広沢の池のほとりから眺めた鳥居。写真にはよく写ってませんが、広沢の池の灯篭流しの上に浮かび上がるように見えて、とても美しかったです。


私は、先日残念なことがあった東京の友達に替わって、一つ灯篭流しをお願いしました。鳥居の火が写る水面を、夜風に吹かれてゆっくり滑っていく色とりどりの灯篭を眺めながら、私は静かに手を合わせました。小さな小さな命の冥福とともに、友達が元気に立ち直ることを祈りつつ・・・。

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