子供にだって出来る!

カナダ人の12歳のクレイグ少年が世界の児童労働問題を改善するために立ち上がったドキュメンタリーを描く写真読み物。子供だってやれば出来る。人間の意志と公共心の大切さを子供たちだけでなく大人にも教えてくれる。クレイグくん自身による筆致も力強い。読み聞かせなら45分ぐらい。8歳ぐらいから。



【番外編】長い絵本や児童文学も読み聞かせよう!・・・絵本の魔法を確実にするために


絵本というと5歳前後までの幼児向けの短い絵本を思い浮かべる人が多いようです。(読み聞かせ時間でいうと10分ぐらいの長さまで。) 図書館での貸し出し状況やインターネットの書評件数を見ても、長い絵本は急に人気がないのです。でも、5歳以上になっても読み聞かせる絵本をそこまでのレベルで続けていると、子供たちは飽き足らず逆に絵本から気持ちが離れていくかもしれません。こういうときは読み聞かせる本のバラエティを思い切って広げてみましょう。例えば長い物語絵本や、シリーズものの知識絵本、さらに挿絵がほとんどない児童文学など。それらの本の中に広がっている奥深い世界は、子供たちの心を楽々と捕らえてしまうかもしれません。


最近、子供達の国語力の低下が問題視されていますが、幼児期の絵本の読み聞かせがその後の子供の国語力アップに直結するかというと、残念ながら必ずしもそうではないようです。就学前に絵本を沢山読んでもらって育ったのに、成長して本や新聞などに自分から興味を示さず、読む力がつかない子供もいるとのこと。(参考⇒『読む力は生きる力』脇明子・著/岩波書店)情報氾濫の現代に自分から情報にアンテナを張ることが出来ない子供は、情報の渦に飲まれやがては無気力な状態へと陥ってしまうかもしれません。だからこそ、絵本が育てる好奇心や追求心などのを子供たちの心にしっかり根付かせたいものです。そのためには子供が自分から本に手を伸ばすまで(その時期は子供によって非常に差があります。)パパやママが子供の興味やレベルに合わせた質のいい本をセレクトしながら、根気強く読み聞かせを続けることが大切なのではないでしょうか。


文字ではなく肉声を通した言語体験は、子供の言語能力の基礎感性を磨く非常に貴重な時期です。だから、もし子供が本を自分で読みたがらないで読み聞かせてもらうことの方を好むなら、それは逆にチャンスと言えるかもしれません。親子で熱中出来る素晴らしい絵本や本を探して一緒に楽しんでいきたいですね。多くの絵本論では、子供が本格的に精神的自立をし始める10歳前後まで親子の読み聞かせを続けることを勧めています。


【ご紹介=大人の本】

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

大自然に親しみ感性を磨くことが子供の成長にいかに大切かが、著者の実践例とともにおだやかな語りかけるような文体で書かれています。著者はアメリカ人で、世界で初めて地球環境問題を告発した方だそうです。30分ぐらいで読めてしまうので時間がないママやパパにもオススメ。少し説明を入れながら読み聞かせれば、小学生の子供にも理解できます。



【ご紹介=大人の本】

心理学者河合隼雄さんがいろいろな児童文学書を紹介し、成長期の子どもの心理を語る。児童文学好きの私もとても引き込まれ、掲載されていた本を読破しようと野心を燃やしています・・・出来るかな?


     【関連ダイアリー】


 絵本のもたらす”魔法の効果”〜はじめに〜⇒


 1.親子の間に温かい信頼関係を築いてくれる⇒


 2.感情を豊かにしてくれる⇒


 3.想像力を育んでくれる⇒


 4.言葉の能力を育んでくれる⇒


 5.感性を磨いてくれる⇒


 6.好奇心を育ててくれる⇒


 7.追求心を育ててくれる⇒