絵本がもたらす”魔法の効果”

 6.好奇心を育ててくれる


日本や海外の様々な作家によって生み出された絵本はコンパクトながらそれぞれに独特の雰囲気の世界を繰り広げていますが、感性(参考:5.感性を磨いてくれる⇒)に訴えることによって読む者をすんなりと招き入れます。絵本に慣れた子供なら、最初5,6回読んでもらえば絵本がもつ世界に十分入り込むことができます。( ただし、子供が一度読んでもらっただけで飽きてしまう場合は注意してください。詳しくは⇒*1 )その新しい世界との出会いの喜びは子供をワクワクさせ、感性のアンテナをフルに刺激します。新しいものを発見するときの一種の興奮は子供も大人も同じなのです。一度その喜びを知れば、子供の好奇心は尽きることを知らず広範囲な分野の絵本に興味を示すようになるでしょう。


人間は子供であれ大人であれ本来とても好奇心が強いもの。現代の巨大マスメディア網がその好奇心に応えようとしてきた証とも言えるでしょう。ただ、その中で子供たちが日々触れる大量の情報のほとんどは背景や基礎知識がないと理解出来ない子供にとって面白みのないものばかりです。そのため、自然と子供たちの関心は人気アニメやゲームなどの子供向けの情報に集中してしまい視野が狭くなりがちです。絵本は同じく子供がすんなりと入れるものでありながら、内包する世界は感性に訴えることを軸にして無限に広がっているのです。


【ご紹介=絵本(6歳〜)】 『ギルガメシュ物語』
メソポタミアの粘土板に残された世界最古の物語を、カナダの作家が子供用にアレンジし絵本化したもの。3部作(一冊15分)ながらこの短さで壮大な人間の大河ドラマが十分描ききってあるのには、拍手!舞台が今のイラクなので、現代との対比を話してあげれば子供が”歴史”について深く理解する最初の糸口になるかも。シリーズは、『ギルガメシュのたたかい』『ギルガメシュのさいごのたび』と続く。

ギルガメシュ王ものがたり (大型絵本)

ギルガメシュ王ものがたり (大型絵本)


  【関連ダイアリー】


 絵本のもたらす”魔法の効果”〜はじめに〜⇒


 1.親子の間に温かい信頼関係を築いてくれる⇒


 2.感情を豊かにしてくれる⇒


 3.想像力を育んでくれる⇒


 4.言葉の能力を育んでくれる⇒


 5.感性を磨いてくれる⇒


 7.追求心を育ててくれる⇒


 8.洞察力と生きる力を育ててくれる⇒

*1:子供が絵本を1度読んだだけで違う絵本を求めてしまうのは、絵本への姿勢が表面的な読み流しになっていて、絵本の世界に十分に入りこめていない証拠です。これでは深い追求心を伴う好奇心は生まれません。逆に与える数を減らし子供が少しでも執着するポイントを持つ絵本をみつけ、繰り返し読む習慣をつけてから少しづつ選択の幅を広げることをオススメします。尚、この話題は、別のコーナー”絵本の魔法を引き出す工夫”で詳しくとりあげる予定です。