絵本がもたらす”魔法の効果”

3.豊かな想像力を育んでくれる

-想像力ってどんな能力?

想像力(イマジネーション能力)って何でしょうか?想像力は子供だけがもつものでしょうか?いいえ、どんな大人にも想像力はあります。例えば冬ソナ好きの人が韓国旅行を計画しているとします。その人は暇さえあれば旅行先のことを思い浮かべ、「ソウルへ行ったらドラマに出て来たあのレストランでビビンバを食べよう。いや、別のがいいかなぁ。」とか、「冬ソナの湖を訪ねたらは寒いかなぁ。上着を多めに持って行かなきゃ。」etcなーんて延々と考えてしまうことでしょう。しまいにはほとんど行った気分になってしまい・・・旅行より計画してたときの方が楽しかった、なーんてこともありがちですね。(笑)想像力とはこんな風に大人だって常に働かせているイメージを頭に思い浮かべながら心の中の言葉で自問自答しながらシミュレーションしていく能力です。(人間以外の動物にも想像力はあるかもしれませんが、言葉を使えない為にイメージの展開力には大きな差があるのです。)人間は想像力を遊びだけでなく、自分以外の人の気持ちを思いやったりする時や、もちろん家事や仕事でも・・・特に工夫したり何かを創り上げたりするとき・・・にも気付かないうちに使いこなしています。そして想像力の豊かさというのは、頭の中でのシミュレーションをどのくらい複雑に深く掘り下げられるかの違いとも言えそうです。


想像力の基本は乳幼児期の頃に身につくものなのだそうです。小さい子供が想像力を働かせて遊ぶ様子を観察すると楽しいですよね。何にもないところに、美味しいカレーライスがあると言い出したり、棒切れ一つが新幹線になったり。子供たちはそうやって遊びながら本能的に想像力を育てているのです。ただ、最近のようにリアルなオモチャが多い上、テレビで何でも見られる状況は、子供達が想像力を使い磨くのにはマイナスになると言われます。


-絵本が想像力を磨く

絵本メディアの、絵のイメージをベースにして言葉によって展開していくプロセスは、人間が想像力を使って頭に思い浮かべたイメージを展開させる思考プロセスと非常によく似ています。絵本はこの類似性によって、絵本作家の奔放なイマジネーションの軌跡を分かり易く再現することが可能なのです。絵本を読み聞かせてもらう子供達は、作家の想像世界を疑似体験しつつ、自分自身の想像力も磨いていきます。


3歳ぐらいまでの乳児向けの絵本は、言葉と絵が一対一対応していてリズム感のある言葉や擬音語が多く、ストーリー展開がほとんどありません。それは言わばイメージ(視覚・聴覚の)だけに焦点を当てて描かれているのです。それに対して、もう少し大きな幼児向けの絵本になると、絵のイメージの外側に言葉で描かれたストーリーが盛り込まれます。読んでもらう子供は、添えられた言葉によって絵に描かれたイメージを頭の中で膨らませ展開させながらストーリーを追っていきます。この段階になると、子供達は読み聞かせてくれる大人に「なんでこれはこうなったの?」等といったストーリーや登場人物に関わる疑問を投げかけてきたりします。また、日常の全く違う場面で、絵本のイメージを想起して「絵本に出て来た〜みたい。」なんてセリフも飛び出したりするでしょう。絵本の世界から広がるそんな質問や会話に応えてやることは、子供の想像力を更に伸ばすことになります。ママやパパは一緒に想像力を働かせながら、丁寧に応えてやりたいですね。

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 2.感情を豊かにしてくれる⇒


 4.言葉の能力を育んでくれる⇒


 5.感性を磨いてくれる⇒


 6.好奇心を育ててくれる⇒


 7.追求心を育ててくれる⇒


 8.洞察力と生きる育ててくれる⇒

【ご紹介=絵本(5歳〜)】

じごくのそうべえ (童心社の絵本)

じごくのそうべえ (童心社の絵本)

上方落語を絵本化したもの。関西弁がリズミカルに楽しく地獄を描き出す。私は関西出身なので、読み聞かせボランティアの時にこの絵本で関西弁を披露したところ、大受けのロングラン。そうべいシリーズは他にも出版されているが、これが特にオススメ。(田島征彦さんの作品にはこのシリーズ以外にもいくつかオススメがあるので、そのうち特集やります、きっと。・・・私、ファンなので。)