絵本ご紹介

【ご紹介=絵本(大人向け)】

冥途

冥途


東京は相変わらずうだるような暑さ、寝苦しい夜が続きます。

そんな夜にうってつけの大人向けの怪談絵本・・・・読んで肝を冷やしてはいかがでしょう?

作者の内田百間夏目漱石の弟子だったそうです。格調高い文章で繰り広げる世界は暗く妖艶です。普通の怪談のように直接的に読み手に怖がらせるようなものでは決してありませんが、人間がちょっとした孤独の場面で、背中にすっと寒さを感じるような微妙な恐怖感を象徴的にに捕らえて巧みに描き出しています。(作品によりますが。)

金井英津子さんの影があって暗ーい、それでいてちょっぴりユーモアを加えたような版画絵が、お話から香つ雰囲気と、更に背後にいつも流れる奇妙な”笑い”(これは異界への親近感とでも言い換えられそうですが)までも捕らえていて・・・あっという間に引き込まれてしまいました。


夢十夜

夢十夜


同じく金井さんが漱石の作品に絵をつけたものです。まだ読んでませんが、『冥途』と同じく寒い思いが出来るのでしょうか?『夢十夜』は漱石作品の中でも異色らしいですね。楽しみです♪